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大人も楽しめる夏休み自由研究その1:東京都港区の迎賓館赤坂離宮

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夏休みの自由研究に、大人も楽しい「建物探訪」はいかがでしょう。ベルサイユ宮殿もかくやの迎賓館赤坂離宮へ行ってみようではありませんか 

一般ピープルが足を踏み入れるチャンスが少なかった迎賓館赤坂離宮ですが、なんと、2016年春から通年一般公開しています 

迎賓館赤坂離宮は国宝です。造られた方々の心意気が迎賓館に入るとひしひしと感じられます。更に、これでもかと職人さんたちが趣向をこらした日本の伝統の技を感じることも出来ます。廊下の窓の把手一つとっても、驚くべき金細工が施されています。

そんな国宝の迎賓館赤坂離宮は、これまでは一年に一度、10日間だけ抽選で中に入れたんです。なかなか抽選に当たらなかったんですよね。

それが、なんとまぁ内閣府のウエブサイトから簡単に参観を申し込んで入れるようになりました。もちろん、海外からの賓客が迎賓館を使わない日に、ボクたちシモジモが見せて頂けるということですが。

ヨーロッパに行かなくても、JR四ツ谷駅から少し歩けば、そこはもう「ベルサイユ宮殿?!」かと見まごう世界です。重厚な建物、豪華な調度品、日本ならではの細かい細工と、迎賓館赤坂離宮は見どころ満載です。

  • 迎賓館赤坂離宮住所:〒107-0051 東京都港区元赤坂2-1-1
  • 連絡先:tel:03-3578-1111
  • 参観時間:10時から17時(16時までの受付)/庭園は受付16:30まで
  • アクセス:迎賓館西門(JR駅四ツ谷駅から学習院初等科に向かって右折してすぐ。徒歩7分程度)
  • 参観申し込み・入場料:
  • (1) 庭園:予約不要。大人300円。大学生以下無料。所要時間は30分~45分
  • (2) 本館:2018年8月31日からは19名以下は予約不要。現在はネットでの事前申し込みと当日受付の併用。入場料は特別展以外は大人1,500円、大学生1,000円、中高生500円。小学生以下無料。所要時間は1時間~1時間半。(本館は写真撮影不可)
  • (3)和風別館:事前の申し込みが必須。日本語・英語のガイドツアー方式。庭園・本館との組み合わせ自由。(小学生以下は参観不可。別館も写真撮影不可)

庭園はとりわけステキで主庭と前庭は写真も撮り放題です。あまりの豪華さに「いやあ、来て良かったなぁ」ときっと大人も満足されることでしょう

迎賓館赤坂離宮はこんなところ:内閣府の映像を確認

さてはて、迎賓館って実際どんなところなのだろうと思われた方は、是非とも内閣府が公開している映像をご覧ください。

内閣府は「政府インターネットテレビ」というサイトを持っていて、ここからいろいろな映像が見られるのですが、なかなか迎賓館赤坂離宮までたどりつけないのが、ちょっと残念です。

政府インターネットテレビ」の「国際」のコーナーに以下6つの映像が公開されています。自由研究には上の3つ映像の迎賓館の「本館」が最適です!

もうなんというか、ベルサイユ宮殿のような豪華絢爛さもあり、なおかつ桂離宮のような静寂もあり、大都会の喧騒を忘れる空間が、JR四ツ谷駅から少しのところに広がっているのですね

 小さい時から良い物に触れるとモノの良さが分かるというではありませんか。是非ともお子様方とお越しくださいませ。

下3つの映像「和風別館」の方は小学生以下は入れないのでご注意を!大人だけでゆったり楽しむ時は下3つの別館も是非

また、今流行りのインスタ映えスポットをお探しの方は、迎賓館の庭園だけでも手軽に利用できますよ 

夏休みの自由研究:まずは迎賓館赤坂離宮の歴史

ありがたいことに内閣府のサイト「迎賓館赤坂離宮・これまでのあゆみ」にたいていのことは載っています。またLIFULL HOMES' PRESSの福島朋子さんの記事にも詳しいです。加えて、現地でもらえるパンフレットにも写真と説明が載っています

迎賓館赤坂離宮の歴史ですが、もともと紀州徳川藩の中屋敷があったところに、当時の皇太子殿下(大正天皇)がご結婚を控えて東宮御所を造られることになったとか。東宮御所ってのは皇太子殿下(つまりプリンス)がお住まいになるところですね。

ええっと、中屋敷ってのは、ざっくり言うとお殿様とかご正室とかがお住まいだった上屋敷からワンランクさがって、ご隠居様とか若殿様とかがお住まいだったところです。すべての藩が中屋敷が江戸にあったワケではなく、ある程度の規模の藩だけが許されていたんです。(って、見てきた訳ではないですけれど)

1899年、「西洋に追いつけ!」ってことで重要な建造物はすべからく洋風建築にしようと目論んでいた明治政府が、当時、工部大学校(今の東大)のお雇い外国人教授だったコンドル博士の愛弟子・片山東熊(とうくま)に、そういうわけで、洋風建築での東宮御所建造を依頼したのが赤坂離宮建築の始まりです

この片山東熊氏、コンドルの直弟子ですが、工部大学校の同期には首席で卒業した辰野金吾と曽禰達蔵(たつぞう)がいます。

辰野金吾といえば、東京駅、旧国技館、日本銀行(本店・京都支店・大阪支店・小樽支店)の建築で世界的にも知られていますね。また曽禰達蔵といえば、丸の内の三菱オフィス街建造の立役者として有名です

さて、肝心の片山東熊ですが、wikiによると長州藩の出身。体格もよく、高杉晋作率いる騎兵隊に入っていたそうです。実兄が山縣有朋をかばって兵部省の職を辞した関係で、その後山縣の後ろ盾もあって、この宮内省の東宮御所建設のチャンスをつかんだのだとか。

けれども、片山東熊は、別にコネだけでこの東宮御所建築をゲットしたわけではありません。片山東熊氏の作品は、1888年竣工の新宿御苑の(今でも見られる)ステキな御休所から、1908年完成の東博(とうはく・東京国立博物館)の重厚な表慶館まで、いずれも重要文化財ばかりのすごい業績です。

10年を費やして1909年に赤坂離宮は出来上がるのですが、当時、片山東熊がいかに実力があったか、想像するに難くないですね。

コンドルの直弟子だった辰野金吾、片山東熊、曽禰達蔵は、いずれも劣らぬ才能の持ち主だったわけです

赤坂離宮の建築にあたって学者・芸術家・技術者が集結:あの黒田清輝も参加

絶対に失敗は許されないプロジェクト、赤坂離宮の建築のために、そうそうたる顔ぶれが片山東熊の元に集結しました。

  • 地震対策のため、応用地質学の草分け的存在の巨智部忠承(こちべただつね)
  • 西洋美術の大家で芸大の教授だった黒田清輝(せいき)
  • 洋風なタッチの花鳥風月を得意とした渡辺省亭(せいてい)

黒田清輝といえば、当時の芸大で、日本画に固執する岡倉天心にさんざん嫌がらせされていたのをモノともせず、西洋画の発展に心を砕いたというエピソードの持ち主。

中国風の袖の長い服を芸大の制服にしようとした岡倉天心の決定が不興を買うのと前後して、パトロンでもあった上司の奥様と深い仲になった岡倉天心がとうとう芸大を去って、黒田清輝の時代になったわけですね。いやはや、時流に乗ったんですよね、西洋画は西洋建築には必要ですものね。

他にもエキスパートが大勢この赤坂離宮建築プロジェクトには参加しました。今だったらここで『プロジェクトX』の主題曲が鳴り響きそうですね

さて、10年掛かって完成した赤坂離宮の外観はもちろん、内部も贅をつくした造りでした。

あまりにも豪華だったため、時の明治天皇から「豪華すぎる」とお言葉を賜った片山東熊。気の毒にショックで病気がちになってしまったとか

しかし、片山東熊の見立ての通り、地質学者が先頭に立って基礎固めをしっかりしているので、関東大震災にも東日本大震災にも耐えうる構造でした

ただ、「豪華すぎた」ため、皇太子殿下がお住まいになられることはなかったという残念な結果に。しかし、大正末期から昭和初めに昭和天皇、また第二次世界大戦後にしばらく皇太子殿下だった今上天皇のお住まいにはなったようです。ああ、よかった

赤坂離宮の外観も内部も見どころが満載:おススメ8点を見逃すな!

参観前に、内閣府のサイト「施設のご案内」から見どころをチェックしておくことをおススメします。各部屋別に写真入りでとても分かりやすいので、当日もすぐにポイントを押さえることができるでしょう

当日は音声ガイド(200円:日本語/英/仏/西/韓/中)を借りることも出来ますし、あちらこちらにスタンバイされているボランティアの方々の説明を聞くこともできます。

しかし、事前に見どころポイントを押さえておかないと、うっかり見逃してしまいそうです

特に抑えておくべきは以下の8点です (*しろくまダンナの個人の感想です)

  1. 正面玄関・中央階段:階段上のアーチの絵画が「朝日と夕日」です。お迎えする際は朝日で、お見送りする時は夕日をご覧いただくというおもてなしの心が粋ですね
  2. 中央階段脇の壁:赤い大理石(ルージュ・ド・フランス)の壁が大きく、そうしてきらびやかです
  3. 中央階段を上ったホールの大理石の柱:柱が8本、どどーんと大きく立派です。イタリア産の紫斑紋が美しい大理石で、6本は丸彫りという今では貴重な柱のようです。さらに、残り2本は当時の技術の粋をきわめた人工大理石で、わざわざ技術の高さを誇示するために人工大理石にしたのだとか
  4. ホール隣の朝日の間への壁:昭和の大改修で、芸大教授の小磯良平が描いた音楽と絵画を象徴する絵が壁にはめ込まれています。「庶民的なジーパンを履いた人物像」が特に見どころだそうで、意図的に多様性を正面に打ち出した内容になっています。シモジモ風の人物が描かれていることに、ボランティアの方の説明を聞いていたボクらは、ちょっと「おおー」ってざわざわしました
  5. 朝日の間の日本的な装飾も見どころです。外側の入口上部の「陸軍を象徴するライオンと日本的な兜の組み合わせ」と、「海軍を象徴する櫂や船」が和の心を表しています。(残念ながら2019年までこちら内部は修復中です)
  6. 羽衣の間にはオーケストラボックスがあって、賓客をもてなす際に使われるのだとか。赤い緞帳の裏側のオーケストラボックスが映画のようでした。「羽衣の間」の名前は謡曲『羽衣』からとられたそうで、天井画に羽衣が描かれ、壁やドアの金色のレリーフに琵琶やバイオリンやさまざまな楽器があしらわれています。大きなホールには羽衣はあれど、それをまとう天女の姿はなくて、ボランティアの方の説明によると「賓客が天女」なのだそうです。粋ですね!
  7. 本館最後の見どころ、豪華絢爛な花鳥の間には、渡辺省亭が下絵を描き、各国の万博で賞を総なめした七宝焼きの天才こと涛川惣助(なみかわそうすけ)があつらえた花鳥風月の七宝が目を惹きます。細部にわたって表現された和の花鳥風月がきれいに焼き付けられた七宝は、素人でも思わず見入ってしまいます
  8. そうして本館の建物正面の遠く遠く上の方に、兜が見えます。ベルサイユ宮殿風の装飾の中の兜、お見逃しなく!

他にも見どころはたくさんあるので、事前に 内閣府のサイトの「施設の案内」を忘れずにチェックして現地に行くと、効率がいいですね。

後で自由研究にまとめる時にも便利ですよ、このサイト。

迎賓館赤坂離宮の参観申し込み方法

なんと当日でも本館は空きがあれば参観できるのですが、混雑する夏休みはやはり事前に内閣府のサイトから申し込んでおいた方が安心ですね。2018年の9月からは本館は19名以下であれば当日受付のみになるようです

カレンダーが表示されるのでそこから希望日が参観可能かをチェックします。それから、人数を決めて該当日をクリックして申し込みます。アテンドは付かないので、自由参観方式です。

当然ですが、国賓が使われる日は「未定」と出ているので、残念ながら参観はできません

ちなみに庭園は予約不要です。

また別館は小学生以下は入場できないですが、必ず予約が必要で、ツアー形式ですね

迎賓館赤坂離宮の前にはインスタ映えするカフェも

内閣府もがんばっています!海外の観光地にある宮殿さながら、正面玄関側にカフェのキッチンカーがあって、ちょっとした飲み物や軽食、またアフタヌーンティー的なものも提供しています。

迎賓館を背景にインスタなんて本当に「ばえばえ」ですね。おまけに入場料はわずかに300円です(大学生以下は無料です)

そうして土日にはなんとクラフトビールもキッチンカーで提供しています!

ただ、頂く場所がちょっとあまりにも急ごしらえすぎる簡易椅子なのが、残念。離宮にふさわしい、もうちょっとお金を掛けた椅子であって欲しい・・・と思うのはボクだけでしょうか

迎賓館赤坂離宮オマケ情報:入場料やトイレの位置、お土産ショップ、Twitter

西門から迎賓館赤坂離宮に入ってしばらく庭園の横を歩くと、手荷物検査があります。

その後、いきなり立ち食い蕎麦屋風の入場料を払うチケット自動券売機があります。期間と催事によって料金は変わるのですが、庭園だけ参観するのであれば300円だったり催事があれば2,000円だったり、いろいろです。

自分が「どこを参観するのか」理解していないと、チケット自販機の前で一瞬戸惑ってしまいそうです。インターナショナルゲストには、ちょっと難しそうなチケット自販機ではあります。「どれ?どれ?」なんてワタワタしている方を見掛けました

チケットをゲットした後で、すぐ脇にある建物の二階にトイレがあります。ここで逃すとしばらくないので、要注意です。またこの建物以外のトイレは工事現場風の簡易トイレだったりもするので、必要な方は是非ここで。

この建物の二階には椅子もあって座ることもできますし、内閣府が作った迎賓館赤坂離宮のニュースビデオも流れています

チケットを自動券売機で買って進むともう本館の入口です。

ここの左脇には、テントがあって、簡易ながらギフトショップがあります。迎賓館赤坂離宮の切手やトートバッグ、パウンドケーキやフランス風のヌガーラスクなどのお菓子やクリアファイルやステキな花鳥風月のマグネットなど、ここでしか買えない限定グッズもたくさん売っています。同じ場所に戻ってくるので、後で買っても大丈夫です。郵便局まで出ている時もあります

今年(2018年)の8月25日と26日には、特別展の没後50年・藤田嗣二天井画展を記念して、20時までの参観が可能のようです。なんと日没後には迎賓館がライトアップもされるとか。

詳しくは内閣府迎賓館赤坂離宮のTwitter (@cao_Geihinkan)をチェックしてみてください。見事な写真付きの館内の案内やキッチンカーのメニューなどいろいろな情報が載っています

まとめに代えて:通年参観可能な迎賓館赤坂離宮

夏休みの自由研究に最適な迎賓館赤坂離宮ですが、もちろん、季節を問わず楽しめます。広々とした庭園に立つと、ここが東京の真ん中であることを忘れてしまう解放感です。

でも、梢からニューオータニの、かつてはくるくる回っていた展望レストランのてっぺんが見えたりするのも、また良いですね。新しく建った上智の法学部の高層ビルがまた緑に映えます

通年参観可能なので、秋のお庭の散策もまた一興です

しろくま奥さまとボクが行った時は、春でお花がきれいでした。インターナショナルゲストもたくさんいて、日本庭園とベルサイユ風の宮殿のギャップに自撮りしながら、皆盛り上がっていました

雪の日は庭の松や国宝の噴水が白く輝いて、特におススメのようです。

通年通して楽しめる迎賓館赤坂離宮は都内の喧騒をひととき忘れられるおススメのスポットです。

大人も子どもも楽しめる都内の建物探訪をこの機会に是非