建築大好きオジサンの覚書

55才からの迷わないマンションリフォーム

『美しい風景の中の住まい学』を読んで:庶民と建築家の間の埋まらぬ溝

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評判が良かった『美しい風景の中の住まい学』(中山繁信著・オーム社発行・発行場所:東京都・平成25年9月20日第1版)を読んでみました。ボクの正直な感想は「庶民と建築家の主張は平行線」です 

 

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いやいや、お金が潤沢にあれば何の問題もないです。この大家に建築をお願いすることは。

実は10年くらい前、ボクはネットで見かけた建築家のサイトに感銘して、連絡をとったことがあります

とても感じのいい家やマンションを造られていて、ご実家のマンションのリフォームの様子もネットにあげていたからです。価格的にも申し分なかったです。

けれども、お返事は

「その予算ではまるで無理」

とストレートでした。ネットに上がっていたご実家のリフォームが格安だったのですが、はやりそれは身内だったからなのでしょうか

ボクは建築家は大好きですが、庶民のつまんない仕事は請けないんだなぁと実感しました

今回の本もそういう意味でもとても面白かったのです

 建築家の主張1:本物志向

建築家は「本物志向」です。そりゃ、分かりますよ、ボクも。本物を知ることはいいことです。

著者はプリント合板で育った子が本物の無垢の木材の壁にクレヨンで絵を描いてしまったエピソードを披露しています。子どもはフェイクも本物も見分けが付かないから、「本物」で育てないとダメであると。教育上マイナスであると。

ええっと・・・すみません、ボクなんかもう回りは全部フェイクだらけです。下手すりゃ自分もフェイクじゃないかと思うくらい。

建築家の主張2:生活に対して美学を持つ必要がある

建築家に依頼するには美学や哲学が必要だと説いています。

収納を用意しろといいながら、使いこなせない施主が多すぎてなんたることかと。以前住んでいた住まいと同様に雑誌や衣類が散らかっているではないかとご機嫌斜めです

ホント、すみません、生きるのに精いっぱいでついつい散らかってしまって。ボクもリフォームしても散らかしそうです・・・ってことがリフォームする前から分かります

建築家の主張3:左官職人を育み技術の継承が必要

ビニールクロスが徹底的にたたかれています。表面にエンボス加工なんかしてあってクリームを少なくするような工夫があるから、左官職人が育たないのだと。経済的的な理由で伝統が途絶えるのは、許容できないと。手抜きをしようとしている職人に中川氏は会ったことがないとおっしゃっています

うーん、そうです、分かります。ビニールクロスなんて安物ダメですよね、左官職人の仕事が大切ですよね。うんうん、でもまぁ、庶民のボクの家の工事だけで業界全体を支えるのはとても無理なので、ボクは今回はビニールクロスにさせてもらいますね

まとめに代えて:庶民は建築家に依頼するのは無理そう

もともと建築家に依頼するつもりはさっらさらないのですが、本を読み終わって、子どもの頃、友人の別荘に招かれたことを思いました。

建築家が建てたステキな山小屋だったのですが、広い床の上にぽつん、ぽつんと部屋が独立して建っているので、夜にトイレに行くのが子どもには命がけで怖かったです。

寝室を開けると、そこには床があれど、ほぼ外。まっくらな中を進んで、独立したトイレまでたどり着いて、帰りも、まっくらな中、独立して建つ子ども部屋は一体どこかしらんと月を見上げました。

建築雑誌に何度も掲載された、建築家渾身の作、スタイリッシュな別荘でした

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